+ おちおち死んでられまへん 【福本清三 小田豊二】 | around the secret

+ おちおち死んでられまへん 【福本清三 小田豊二】

 時代劇の最後10分。「かまわん やっちまえ!」のあのシーンで必ず見る顔があった。
 もの凄く分かりやすい悪役ヅラ。ずっと前から気になっていて「こないだ斬られてたあの人!また斬られる!」と画面を指さしたものだった。

 ある時、その人が海外でThe KIRAREYAKUというほど有名で、本も出しているのを知る。

 稀~にプチ自慢?にも取れる自己卑下がハナにつくが(これは実際に文章を書いた小田さんかな?)、いい人だなぁとしみじみ。これまた絵に描いたようなオヤジギャグにも心が暖まり。

 月並みだけど、「目立たない事を地道に真面目にやり遂げる事の大事さ」を体現したような、良い生き方だ。
 時代の革命児だとかビジネス新伝説だとか地球の夜明けだとか、斬新なアイデアで一山当てた人、短期戦の右肩上がりが持て囃される時代、もう一度こういう人に注目して欲しいなぁ・・・・・・。

 それはそうと香住出身とのこと。香住といえば2,3年に1度はカニを食べに行く。
 とても失礼だが、「中学を出た子供は家を出て自ら口を減らすのが親孝行。職がなくて親戚の言いなりで京都に出てきた。自分が俳優の仕事をしていると知ったのは、随分後だった」というのが頷ける、寒くて少し淋しい町。

 豊かで、「役者になる!」「有名人になる!」という夢と気負いを以て業界入りした人では、こうはいかないのかも知れない。