+ 恋文の技術【森見登美彦】
太陽の塔、四畳半、夜は短しと今までのヒット作が自身の青春時代の引き出しからの執筆なら、そろそろネタが尽きてきたのかも知れない。んーーーでもこの人の青春モノは面白いから既出キャラで話を広げてシリーズ化しないかな~。
バラ色のキャンパスライフに憧れながらも、情けなくて無様で無駄な悪あがきと悪友との悪ふざけを日常に詰め込む主人公達。
本当に輝かしくて可能性に満ちているのは、小洒落たキャンパスライフの方ではなく、そんな冴えない主人公だというのは作者も十分承知の上だろう。
諸星あたるの居ない面堂終太郎の青春なんて淋しいものだしな。
情けない情けないと言いつつも、近作ではその誇らしさが滲み出ているのが少し嫌味だ(笑)