+ マボロシの鳥【太田光】
- ファンタジー短編集なのだろうな。
- 最初の「茨姫」の数ページを読んで「??」と思う。
- 多分この心地悪さは、乙女チックなお姫様話と爆笑問題 太田の顔との食い合わせの悪さが原因ではない筈。なんか滑ってるんだ文章が、内容が。
- 2,3編読んで「?????」、一番感動作を持ってくるであろう最後の話を読んだが、「うーーーん?」。
童話や寓話、時事問題も少し混ぜて、原型が分かる程度にザックリ焼き直したような感じは、翻訳し損ねたタニス・リーみたいだ。
「ねずみ」は少し面白かった。ヒネた少年は太田の分身なんじゃないかなと思いながら読んだ。少年のブレなさが気持ちいい。
表題作「マボロシの鳥」も、面白かった。
何かを伝えたくて書いた本なのだろうな。いわゆる自分の「太田魂」を。
バラエティの司会での天才的にKYなボケが、裸の王様に出てくる子供みたいで好きだ。鬱陶しい似非な雰囲気をブチ壊してくれるどうしようもないギャグなんか最高に気持ち良い。
だけど、小説世界でのMY World全開は当たり前だものな。その上プロにはそれなりの表現力も身についてる。太田節をそのまま小説でやられても、寧ろ無個性・無主張なくらいなんだ。
もしかして小説を書くというのは、太田ほどの人にさえ難しい事なのだろうか・・・・・・。
学生さんを含め素人クリエーターの小説(いわゆるケータイ小説ではなくて)を読んでいても、少し書ける人ならこれ以上のものは余裕で書けてるんだけどなぁ。
爆笑問題 太田のメッセージとして読むには面白い本だと思う。