+ 魔法少女 まどか☆マギカ | around the secret

+ 魔法少女 まどか☆マギカ

 面白かった(T_T)鋼の錬金術師以来。

 笑ゥせぇるすまんの腹黒さとシニカルさ、少女革命ウテナの不条理さとヒーロー・ヒロイン冷遇、エヴァンゲリオンの話題性と考察の楽しみが混ざったような良作だった。
 魔物と戦う魔法少女の物語ではなく、主人公を魔法少女に「しない」ための物語だといういう辺りの変化球も面白い。


 ツンデレの暁美ほむらが「実は一番の味方」なのも分かるし、QBは可愛く見えて瞳孔が開いてるからきっと喪黒福造。ほむらに敵対するマミさんはお亡くなりになるまで悪役だと思ってた。含み笑いが腹黒っぽく見えた。


 瞳の描き方がアナログっぽくて面白いなと、ロングになった時の顔の略し方が大胆だなと思いながら鑑賞。美少女ヒロインがパタリロみたいな顔になってるし。

 でも、2話までのペースで続いていたら、最後まで見なかったと思う。


 3話でマミさんが頭を食いちぎられるシーンから虚淵の鬱脚本が効いてきて、漸く大人のブラックファンタジーとしてのテーマや葛藤が見えて面白くなってくる。


 マミさんは大人っぽさと脆さが魅力だったし、杏子の成熟したキャラと天涯孤独っぷりも「魔法少女に相応しい」。

 みんなそれぞれ魅力的だったけど、私は凡人代表ともいえる人魚姫役サヤカに感情移入してしまった。


 幼なじみの幸せを祈ったサヤカのどこが間違いだったのだろう?この作品のテーマ、なんで「祈りで始まったものはやがて呪いになる」んだろう?

 経験的には身に覚えがありすぎる話だけど、「善行は見返りを期待してするものではない」とか「無償の愛」的な綺麗事の理屈が本当だとしたら、祈りは祈りのまま終れる筈。


 やっぱり人間は「与え続けられるほど、タフじゃない」んじゃないかなぁ。


 そもそも14や15の少女の年齢で、命(死ぬまで戦い続けること)と引き替えに一生の御願いをするというのが無理難題なのだろう。
 それは子供の頃クリスマスに願った一生の御願いのプレゼントを大人になっても命をかけて守り続けろというのと同じことだ。いや、幾つになっても「"自分"と引き替えにした一生の御願い」というのは、綺麗には終われないのだろう。
 その点、事故で死にかけている時に、命と引き替えに命を貰ったマミさんの設定は上手いな。



 叶わない夢もある。努力しても無理なものは無理。力のない善意は力のある悪意に負ける。

 ・・・・・・なんだかとても今風の話だ。

 中学生魔法少女のまどかが小学校低学年でも通用する幼児体型・ぷに顔だったのも、今風だ。同じく中学生の美少女戦士のみなさんとはキャラデザが根本的に違う。萌絵はただの萌絵ではなく、萌絵に表現される幼さや無垢さ、舌足らずさはキャラクターの中身でもあるから。