+ やめられない ギャンブル地獄からの生還 【帚木蓬生】 | around the secret

+ やめられない ギャンブル地獄からの生還 【帚木蓬生】

「パチンコ台は、日本以外の国にはまずありません。

 外国にあるのは、スロット台とルーレットやその他のギャンブル台です。その統計は、日本を除く全世界で250万台です。なんと日本の半分の台数なのです。

 (中略)

 2004年度の高額納税者上位100人のうち、12人がパチンコ・スロット店や、その機器の製造メーカーの関係者でしめられています。p114


 他、脳内物質と依存症の関係などにも触れてあるが、パチンコは疎か依存症が知り合いレベルでも居なくてピンと来ないので、正直この本は、他の精神障害などに置き換えて読んでしまった。


 海外での自助グループの話がとてもいいなと思った。


 アルコールや薬物、ギャンブルなどの依存症について、「治すためには本人が心を強くして我慢するしかない」と思ってしまうのは国民性だろうか。


 海外では「ギャンブラーズ・アノニマス」というギャンブル依存症者のための自助グループがあるのだそうだ。 


 自助団体というと日本では聞き慣れないが、デスパレートな妻達、SATCなど洋ドラではちょくちょく出て来るアチラではメジャーな存在のようだ。 

 あれを見て地に足がついてるなと感じた。週一回しか会わないエリート医者や非・依存症の人に、あるべき論をされるのとは違い(そもそもそれが出来ないから依存症やってるのだ)、経験した人からサポートして貰える。

 上から垂らされる蜘蛛の糸を登るのは孤独だし筋力がいるが、横並びの仲間と一緒に登っていくのなら何だかいけそうだ。


 また、体験談を読んでいると、依存症患者以上に、その配偶者、親、子供の受けるダメージは大きく、自殺や人生を変えてしまうものも少なくない。 本人の「今度こそ止める」を信じ、裏切られ、本人の逆ギレを真に受け、自分を責めたりもするだろう。スリップされた時の裏切られ感もハンパないだろう。人間不信にもなるだろう。

 そういう人達が支え合う自助団体も存在する(自死遺族の自助団体に似ているように思う)。  「海外なんかでは」という言葉は嫌いなのだが、この辺りは羨ましい。どうして日本では自助団体というものが流行らないのだろう。


 一緒にするのは不謹慎だが障害者に対する受け止め方の差異に似ているのかも知れない。

 海外ではハンディキャップや罪を犯した、一般的に良くない状態にある人が努力することが普通に「カッコイイ」と受け入れられている。 日本では、そういったものはまだ建前上は「がんばってるね」「えらいね」と言われるだろうが、本音では努力以前に弱点をカミングアウトした時点で強く強くレッテルを貼られてしまう。もしくは「元、極道の**」のように変に過大評価した神話にして歪めて伝えてしまう。


 だから自分(自分の身内)が依存症患者である事を隠すのだろう。だから自助グループなんて言ってる場合じゃないのだろうな。